秋に唄いたい小唄。
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秋に唄いたい小唄。
2014年09月06日(土)5:50 PM
「逢うて別れて」 初代平岡吟舟 詞・曲
逢うて別れて 別れて逢うて ちぎれちぎれの雲見れば
恋し床しの一声は
妾や松虫主はまた 空吹く風の呑気さよ
男心はむごらしい 憎うなるほど憎いぞえ。
この小唄の意味は、自分を松虫にたとえて、男を秋風にた
とえて、男心のつれなさ、呑気さをうらみながらも、離れとも
ない恋しさを唄ったもので、「憎うなるほど憎いぞえ」の一節
は心憎いばかりの出来栄えである。
作曲は、「ちぎれ~」の様に、河東のアゲブシをそのまま使っ
たり、その他河東づくめで、小唄としては品の良い、古典味の
勝ちすぎたものであるが、ここが到ってサラサラと唄う小唄の
正系に比して物珍しく、当時の小唄人に喜ばれて、今日でも
よく唄われている。(邦楽の友 5号・英十三より引用)
晴れ渡った秋の空に浮かぶ白い雲を眺めると、この小唄
が思い出されます。ここのところ曇りや雨の日が続き、「天
高く馬肥ゆる秋」の空を眺めらず残念ですが、この唄を唄う
ときには心の中に{天高く澄んだ青空、白い雲}を描いて唄
ってみたいですね。