小唄『朧夜(春の夜)』のご紹介。
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小唄『朧夜(春の夜)』のご紹介。
2019年04月16日(火)6:12 PM
『朧夜』 作詞 長田幹彦 作曲 春日とよ
春の夜の おぼろゝ の花の香に
夢かとまごう東山
鴨のながれに影うつす 柳がくれの月あかり
露にぬれそな鬢つきも
踊りがえりの うしろ影。
この小唄は春日とよ(春日流の流祖)が、『祇園小唄』で知られた長田
幹彦に小唄振りの地として依頼して書いて戴いたものである。
幹彦の『祇園小唄』はマキノ映画「絵日傘」の主題歌として、佐々紅
華の作曲、端唄の二三吉の歌で、昭和五年ビクター盤で売り出されて、
忽ち全国に流行し、今なお京都を代表する歌となっている。(「日本歌謡
集」)
小唄『朧夜』の幹彦の作詞は、『祇園小唄』の亜流で特に勝れた所が
ないので、とよは色々と考えた末、上方小唄『京の四季』の「春は花い
ざ見にごんせ・・・の一部をつけて作曲して、小唄振りの会で発表して
好評を博した。 「昭和小唄その一」 木村菊太郎著より引用
私は日本舞踊坂東流で坂東恋糸祥という芸名を頂き、以前はよく小唄
振りを踊っておりました。
確かに小唄の演奏に踊りがつくとお客様はなお一層楽しめます。
春日とよはそのことにいち早く気付いて、「小唄」を広めるために小唄
振りのついた曲を何曲も作ったんですね。