演劇実験室 万有引力「草迷宮」を観劇。
本当に久しぶりに演劇実験室万有引力の芝居を観に行き
ました。正式には手毬唄由来の実験幻想オペラ劇「草迷宮
」です。
何故久しぶりに万有引力の舞台を観に行ったかというと、
1997年にシアターコクーンで上演された蜷川演出の「
草迷宮」台本・岸田理生を観ていたので、全くタイプの違
う万有引力という劇団の「草迷宮」台本・寺山修司も観て
おきたいと思ったからです。
蜷川演出の舞台は魔界の女菖蒲を浅丘ルリ子さんが美し
く妖気を漂わせて演じ、手毬唄を求めてきた青年葉越明を
まだ若くて初々しかった田辺誠一が演じていました。
随分時が流れて記憶に残っているのは、妖艶で美しい鏡花
ワールドが展開されてたということぐらいでしょうか。
一方、万有引力の舞台は生演奏のパーカッション(J.Aシ
ーザー)、琵琶(川嶋信子)、二十五絃琴/三味線(本間貴士)
ヴァイオリン(多治見智高ジーザス)の時に激しく鼓膜をつ
んざくような、時にそっと心の琴線を震わす様な生演奏に
乗って呪術的な芝居が展開された。そして芝居ではなくて
やはりこれは幻想オペラなんだなと観終えて思いました。
蜷川演出の舞台には血生臭さや、異界のおどろおどろし
さがなかったのですが、万有引力の舞台はプラス不気味さ
や怪奇性が感じられました。
私にはどちらの舞台も見ごたえがあったと思いますが、そ
れは泉鏡花ワールドの持つ圧倒的な特異な魅力にあるとも
思われます。
今年は寺山修司没後40年ということで、寺山修司監督
の映像作品の一挙上映会もあるそうです。
「草迷宮」主演三上博史を是非、観たいと思っています。
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