小唄「曲独楽」のご紹介。
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小唄「曲独楽」のご紹介。
2021年09月21日(火)10:10 PM
「曲独楽」きょくごま
雁首の 上で首かぶりを振る独楽の
衣紋流しや右左
「やりそこないは御用捨」
危ない刀の刃渡りを
見ているわたしの気がもめる。
作詞 宮川曼魚 作曲 吉田草紙庵
この小唄は明治期に浅草の奥山で有名だった十三世松井源水の曲独楽
(独楽の曲芸)を材にとって、男女の愛情の機微を唄ったもので、宮川曼
魚が三年の「郊外」小唄号に発表した名作詞である。
草紙庵はこいつは面白い、是非手をつけようと思ったがなかなか曲想が
浮かんでこないので、歌詞を懐に一年越しのある日、ぶらりと曼魚の経
営する鰻料理「宮川」に出掛け、小唄幸兵衛と三人連れで深川仲町の料
料亭長楽へ上がった。
芸道楽で何でも心得ている芸者のおもちゃが呼ばれてきて、何のキッ
カケからか〇一の太神楽のお囃子となり、衣紋流し、刀の刃渡り、お毬
は三つだ三つだという合方で一座が賑やかになった途端、フッと「曲独
楽」の手が浮かび節がつき、スラリと二上りに出来上がった(「草紙庵
夜話」)というから、早速その場で小唄幸兵衛に移して開曲したものと想
像する。
小唄は前弾きと送りが〇一太神楽で、終わりが「見ているわたし
の気がもめる・・・」という軽妙飄逸な作詞と作曲で、草紙庵の代表曲
の一つとなっている。
九月初めに鈴本演芸場に行った時に鏡味仙志郎・仙成の太神楽曲芸を
観て、ハラハラドキドキとても楽しかったです。
さてこの「曲独楽」の小唄、是非唄ってみたいと思います。