小唄「つんつらつん」って?
昨日のブログを読んだ友人から、《「つんつらつん」って何を唄った小唄なの?》と
質問のメールがありましたので、「つんつらつん」をご紹介させて頂きます。
「つんつらつん」
つんつらつんつらつんつらつん
裏の土蔵の中 兼やんとつんつらつん
片手に提灯片手に蔵の鍵 つんつらつんつらつんつらつん
待ちなはれ 暫し待ちなはれ
髪を結うてしもうてな おっ母さんを寝せおいて
お代理参りと家や云うて出掛けましょ
四五日この方逢わなんだ 何から何まではなしましょ
勿体ないがお代理参りは明日の晩といたしましょ
つんつらつんつらつんつらつん。
この小唄は二上がりで、季はありません。明治前期に作られた上方の田舎小唄である。
英十三氏は「思うに、この唄は、(弦曲粋弁当)に《お蔭参り》《祇園参り》という唄があ
り、又(浮れ草)に《住吉参り》《談義参り》という唄もあって、何々参りといった唄は相当
多かったように思うので、この唄は《談義参り》の唄の変形のように思う。」
判然とわからぬが、文化文政以降の上方小唄の一つと想像される。
《お談義参り》とは、浄土宗の信者が寺へ説教を聞きに行くこと。
江戸小唄化したくとも、どうにもならぬ上方調の濃い唄の一つである。
お芝居の中では「俳諧亭句楽の死」大正三年九月市村座「狂言座公演」の劇中、句楽の好きな
唄として唄われている。(木村菊太郎著 小唄鑑賞より引用)
いかがでしょうか?一口に「小唄」といいましても、本当にいろんな曲があって飽きませんね。
お芝居の中で唄われてたと言うのも納得!何気に口ずさんでしまいたくなるような調子良さと、
のどかな味わいのある小唄だと思います。
暮れの忘年会などにこの「つんつらつん」をちょっと唄ったら、受けそうですね。