先日新宿花園神社境内に特設された紅テントに行って参りました。

唐組のお芝居は久し振りに観るので、朝から期待に胸を膨らませ出掛けました。

　日が落ちて薄暗くなった境内、紅燈籠にぼんやりと灯がともり、紅テント周辺に

三々五々客が集まり始め、皆一様にこれから繰り広げられる唐十郎の芝居に想いを

馳せている様子・・・・・。

　数年前に観たときよりも今回の方が、唐さんの台本を演じるに相応しい怪優人

が揃っていて、非常にスピーディーでエキサイティングな舞台で思い切り楽しめま

した。芝居がテントの中で進行する最中にも、外からは救急車のけたたましいサイ

レンの音や、行き交う車のクラクションの音などがテントの中に入り込んで来ますが

、その外界の音が芝居に溶け込んで、少しも違和感を覚えさせない「唐ワールド」全

開の舞台でした。唐十郎の芝居にはこの新宿花園神社境内という場が、本当にマッ

チしてるんだと改めて思いました。

　ラストに舞台背面がいきなり外され、「透明人間｣のカオスに酔っていた観客は開け

放たれた暗闇に沈む境内を突きつけられ、現実世界へと覚醒させられました。

　こんな芝居を観た夜は、なんてことない？この私でも、何か表現できるんじゃないか

なんて気分になります・・・・・・・・・。