小唄「空に一声」(蝶千鳥)のご紹介。
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小唄「空に一声」(蝶千鳥)のご紹介。
2020年12月21日(月)6:28 PM
「空に一声」 詞・市川三升 曲・草子庵
空に一声時鳥 きくや牡丹の蝶番い
離れぬ仲のむら千鳥 富士の裾野に並び立つ
姿なつかし 五月晴れ。
「夜討曽我狩場曙」の歌舞伎小唄。
「夜討曽我」は、曽我の討入を実録風に脚色したもので、明治の新しい
思潮に即応した時代劇で、いわゆる活歴の曽我劇。
九世団十郎の五郎は、小手、脛当、腹巻、草鞋という活歴風の装束で
あった。
小唄の「空に一声」は、昭和十一年四月・歌舞伎座「団菊祭興行」の
とき出来た曲で、「空に一声」はカン、あとは東明節の「大磯八景」の
手をつかっており、草子庵自慢の小唄の一つである。
「五月晴れ」に、曽我兄弟の喜びを象徴する唄い方でよい。
きくや牡丹・・・・杏葉牡丹は市川家の紋で、九世団十郎の五郎を指し、
きくやは菊で、五世菊五郎の十郎を指す。
蝶千鳥・・・・・母から送られた小袖の模様から兄弟のことを指す。
「芝居小唄」木村菊太郎著より引用
この「空に一声」は正しく名曲でですね!
声を張って、しっかりとした発声で唄う小唄です。
三味線の演奏もなかなかカッコイイ曲で、弾き甲斐があります。