衝撃の舞台!ヤン・リーピン「覇王別姫」
渋谷オーチャードホールでヤン・リーピンの「覇王別姫 十面埋伏」
の舞踊公演を観て参りました。
初めてヤン・リーピンの舞踊公演を観たのですが、それは私の想像を
はるかに上回る素晴らしい舞台でした
冒頭の大量のハサミを吊るした(可動する)モノトーンの舞台は非常に
鋭角的で、これから始まる秦朝後の政権をめぐる項羽と劉邦の戦争、そ
の戦に翻弄される虞美人と項羽の悲恋、虞美人の自害を、その不穏なム
ードに満ちた舞台装置で予感させている。
ラストでは真っ赤な羽毛が突然舞台上に敷き詰められ、その真っ赤な
羽毛を舞い上げ、身にまとわせ、戦争で流された多くの人々の血を表現
していて圧巻のエンディングでした。
舞台上での中国琵琶と中国琴の生演奏、舞台下での中国京劇に使われ
打楽器の演奏も、舞踊と一体化されて素晴らしかったです。
私が一番魅了されたシーンは虞美人の踊りです。
京劇の伝統に従い男性が姫を演じていたのですが、その殆ど裸体に近い
状態でありながら男性を全く感じさせない舞踊には心臓を鷲掴みされた
ようでした。
女性よりも妖しくエロティックな胡沈員(虞美人役)の身体表現は項
羽の心を魅了した様に、観客の心も魅了する。
胡沈員は踊るだけではなく振り付けにも携わっているそうで、ぜひま
た別の作品でも観てみたいと思いました。
今回の公演ではヤン・リーピンは演出・芸術監督ということでしたが
次回は何としても彼女が踊るのを観たいですね!
あーまた生きていく楽しみが一つ増えた芝恋です・・・。
チェン・カイコ―監督の映画「さらば、わが愛/覇王別姫」の大ファン
でしたが、ヤン・リーピンさんの「覇王別姫」の大ファンにもなりまし
た。
素敵な舞台に出会えて幸せ!