今年最後の観劇「泥人魚」。
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今年最後の観劇「泥人魚」。

2021年12月29日(水)10:02 PM

パンフレット ポスター

 

 今年も残すところあと数日というタイミングでシアターコクーンへ、

唐十郎作品の中で最も難解?と言われている芝居を観に行って来ました。

 学生時代から唐十郎のお芝居の魅力に絡め捕られている私ですが、テント芝居でその大半を観て来たので、シアターコクーンという正当な?

真っ当な?立派な劇場で唐さんの芝居を観ることにはチョット抵抗感が

ありました。

それでもまだ観ていなかった「泥人魚」、21世紀に入って書かれたこのお芝居は是非とも観てみたい唐十郎作品でした。

 きわめて率直な感想は・・・、美しくファンタジーなシーンが印象的であり、しかも一見支離滅裂な泥臭いドタバタ劇も交えながら・・・

でも観終えた後に愚かで欲深く、汚くもあり、儚くもあり,純粋で寂しい人間たちへの唐さんの懐深い愛情が感じられて胸を打つ作品でした。

 宮沢りえは次々と唐十郎作品のヒロインを演じて、アングラ演劇のミューズとまで言われているようですが、そういわれるにはやはり本当にテント公演で勝負して欲しいなと私は思います。

今回シアターコクーンという劇場空間で観た「泥人魚」、中ほどの席で観ましたが、客席に向かって唐突に語りかけるアングラ演劇特有の長いセリフなどは、もっと狭くて演技者と観客の密度の濃い場でないと伝わりにくいなと感じました。

しかし続くコロナ禍の中で数々の唐さんの名作の中でも、「唐版 風の又三郎」「秘密の花園」と並んで、唐さんの集大成とも言える「泥人魚」を観れたことは幸せです。

 

 

 

 



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