小唄「今日も又」のご紹介。
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小唄「今日も又」のご紹介。

2021年12月08日(水)8:17 AM

 前回のブログで触れた小唄「今日も又」をご紹介させていただきます。

 

  「今日も又」

 

 今日も又 逢えぬ座敷の深酒に

  醒めりゃ泣き癖 新道の

   雨は夜上がり 薄明り

 送りましょかよ 送られましょか

  せめてあの丁の角までも

 こうも逢いたくなるものか

  ええ気にかかる恋の辻占や。

 

 作詞は小野金次郎、作曲は中山小十郎。

お客を好きになってしまった芸妓のつぶやき。

想う人は今日も来ない、悲しく淋しい思いからついつい深酒を

した芸妓が座敷を終えて、雨上がりの花街の小路を「送りまし

ょかよ 送られましょうか せめてあの丁の角までも」といっ

たやり取りを耳にしながら家に向かう途中であるが、座敷であ

たった辻占の文句があまり良くなくて、気にかかって仕方がな

い・・・この様な場面を唄っている。

 

 女心の切なさ淋しさがが暗くならずに、むしろ「送りましょ

かよ~」から妙に調子のいい三味線の弾きで、とても魅力的な

小唄です。

 この小唄を聞くと、先月赤坂大歌舞伎のフィーナーレで芸妓

姿で七之助、扇雀、鶴松、三人が揃って賑やかに華やかに舞っ

ていた姿が又目に浮かびます。

 

 

 

 

 



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