彼岸の入りに秋袷。
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彼岸の入りに秋袷。

2017年09月20日(水)10:18 AM

  秋袷  身を引締めて  稽古事。 

                              虚子

 

 秋袷・・・夏の暑さが去り「薄物」では体が冷えます。

旧歴十月朔日の「後の更衣」(のちのころもがえ)から冬物の「綿入」を

用いますが、それまでは「秋袷」を着ます。

 

 台風も去り空はすっかり秋の空ですね。

小唄のお稽古に着る浴衣もしまって、秋らしい色柄の着物を着てお弟子さん方

と身を引き締めて!?お稽古に励まなくては。

そこで小唄を一つご紹介いたします。

 

    『うたた寝』  小夜更けて

 

 小夜更けて  寝巻のままの仮寝(うたたね)に

  ぞっと身にしむ恋風が  ええ憎らしい明の鐘。

 

 訪れ来ぬ男を待って、明方までうとうとと仮寝の夢に、恋しい男との逢瀬を

夢見る女心を唄った小唄である。

 最初の「小夜更けて」の「さ」は接頭語で夜が更けての意。

寝巻のままのうたた寝に男の夢を見て、はっと眼がさめると、男のことが一入

(ひとしお)恋しく思い出されるので、「明の鐘」は明け六つよりも早い七つ(午

前四時)の鐘と解すべきであろう。     小唄鑑賞 木村菊太郎著より引用

 

 如何でしょうか? 一片の情景が浮かび上がってきますね。

一人寂しく寝巻を纏い、やや寝乱れた黒髪・・・・、アダルトな雰囲気の小唄で

すね。

   

 

 



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