「月が綺麗ですね」は?
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「月が綺麗ですね」は?

2015年10月17日(土)11:38 AM

 ちょっと前のブログで小唄「一声は月」をご紹介いたしましたが、その数日前

にTVドラマで「三つの月」という物語を観ました。そのドラマの中で主人公の

女性が好きになってしまった男性に愛を告白するシーンがありました。

 「月が綺麗ですね。」・・・・・・。ご存知の方も多いと思われますが夏目漱石が

英語の教師をしていたときに、生徒が[I love you]の一文を「我君を愛す

」と訳したのを聞き、「日本人はそんなことを言わない。月が綺麗ですね、とでもして

おきなさい。」と言ったとされることから、「月が綺麗ですね」は遠まわしの、愛の

告白となってるのです。

 現在だって、「貴女を(貴方を)愛してます。」とはなかなか口に出来ませんよね

。その気持ちを「月が綺麗ですね」という文学的表現に置き換えた漱石は、さす

が明治の文豪!「愛してます」といわれるよりも感激してしまいそうです。日本

人ならではの奥ゆかしい愛の告白、とってもロマンチックで素敵ですね。

 さて私だったら何と返えすか?・・・・。「いつまでも二人で綺麗な月を眺めて

いたいですね。」・・・・・まあこんな風でしょうか。

 二葉亭四迷はロシア文学を翻訳した折、ラブシーンで女性が「あなたに委ねま

す」と囁いた言葉を「死んでもいいわ」と訳したそうで、漱石の「月が綺麗ですね」

への返事として「死んでもいいわ」がセットで使われることが多いそうです。

 「死んでもいいわ」って、かなり強烈な返しじゃないでしょうか?ま、人それぞれ

秋の夜長に自分ならどの様に返事をするか?熟考してみては如何でしょうか。



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