小唄・端唄「御所のお庭」のご紹介。
「御所のお庭」二上り
御所のお庭に 右近の橘
左近のさゝゝゝ
ふくふく ラゝゝゝ
右大臣 左大臣
さゝゝゝ緋の袴はいたり
官女ゝ 達 達。
天明時代の三月の節句の雛飾りを唄った
小唄で、五月の節句の武者人形を唄った
『金時が』と好一対の上方小唄である。
三月の節句に、雛祭をする風習は、室町
時代中国から伝わった人形技術の影響か
らであるといわれるが、もちろんこれは
公卿の子弟達に限られていた。
元禄時代になると、これまでの紙雛に代
って布製の内裏雛が作られ、一般市民の
家庭に飾られるようになり、江戸時代の
中頃から内裏雛以外に、いろいろな人形
や調度を飾り雛壇を高く設けるようにな
った。
京・大阪では雛壇を二段ほどにし、赤い
布をかけ、上段に御殿、内裏雛、随身、
官女、衛士、下段に御所車、箪笥長持そ
の他、燭台、菱飾り、白酒などを並べた。
江戸時代では御殿は飾らないが、三段、
四段と派手であった。
今日見られるような正式な七段の形を整
えたのは、江戸後期で、上方と江戸とを
取捨選択して江戸に於いて作り出された
ものである。
上方小唄『御所のお庭』は、上方の雛
飾りを唄ったもので、紫宸殿の御階の左
右にある右近の桜と左近の橘とを模した
桜と橘、左大臣右大臣、それに緋の袴を
はいた官女たちが高坏をはさんで奉仕す
る。きらびやかな夢の様な雛への幻想を
唄ったものである。
この上方小唄は幕末江戸に入って端唄
・歌沢となったが、京の御所のお庭は、
遠い夢の様な世界で雛祭りの行事と共に
江戸市民に愛唱されたことであろう。
江戸小唄は端唄から採ったものであるが
、派によって文句の多少ちがったものが
ある。
芝居の下座唄として、年末煤掃きの場面
などによく使われている。
「小唄鑑賞」木村菊太郎著より引用
この小唄はとても調子が良くて、唄っ
ていて楽しい曲です。
合唱・合奏するのに丁度いい曲だと思い
、私のお弟子さん達に教えている最中で
す。

