小唄「梅は北野」ご紹介。
梅は北野
梅は北野の天神様の御神木
見事に咲いたえ
咲いたその梅どうじゃいな
風に吹かれてちらちら
東風が吹く
匂うその香がわしゃ嬉し
二人が仲は二世も三世も
かわりゃせぬ。
「梅は北野」は天明年間の上方小唄
で、「竹は八幡」「松は唐崎」の二つ
はちょっと下って文化文政年間の上
方小唄」である。
「梅は北野」の北野天満宮は、京都
上京区馬喰町に鎮座。
菅原道真を主祭神としたもので、文
道の大祖として古来朝野の崇仰が極
めて高く、九州の太宰府天満宮と共
に名高い。
菅公が梅を愛した故事によって、拝
殿のそばに紅白の梅が北野神社の御
神木として祭られているが、梅花祭
は菅公の薨去の日に因んで、毎年二
月二十五日と定められている。
小唄は天神様の御神木を拝んで、二
人が仲は二世三世も変わらぬようと
願った庶民の姿を唄ったものである
。
「守貞漫稿」によると、この小唄は
宝暦元年六月大阪の夏祭(天神祭)
に、島の内の美妓が盛大な練物を出
したが、すべて山の見立てで、双子
山、茶臼山、かがみ山、竜田山、春
日山、箱根山といったぐあいに、二
十七人の妓が出た。
その中で天満屋の梅という妓が器量
も良く、その頃で五両もするような
鼈甲の櫛をさしたのが一際目立って
美しかったので、それを讃えて作ら
れた小唄である。
江戸小唄 木村菊太郎著より引用
京都の北野天満宮は行ったことがな
いので、この小唄に唄われてる御神
木の梅の花を見て、どんな梅の香り
か、嗅いでみたいですね。