小唄「橋渡し」のご紹介。
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小唄「橋渡し」のご紹介。
2020年05月12日(火)6:13 PM
『橋渡し』 作詞市川三升・作曲吉田草紙庵
夕立の 晴れて染め出す水色の
空には虹の橋渡し
見合い見交わす船のうち
のぞく筑波も笑い顔。
この小唄は茅場町の喜可久で開封された。
この歌詞は隅田川の夏の船遊びで、夕立の去ったあとの虹の橋を唄った
爽やかな作詞である。
「のぞく筑波も笑い顔・・・は河東節「七重八重花の栞」(文化九年三
月作)の中の「うつりにけりな悪戯を 筑波がのぞく船の中・・・を三升
が採ったもので、おそらく橋渡しが隅田川なので、近くの?原を唄った
「花の栞」を引用したものであろう。【「草紙庵の小唄解説集」英十三】
市川三升の隅田川を唄ったこの歌詞は素晴らしく、草紙庵の作曲も本
調子の替手をつけた派手な手付で、これを唄った初代本木寿以の「のぞ
く筑波も笑い顔・・・の節止まりから送りになる、艶麗な節廻しが今で
も筆者の耳に残っている。
草紙庵ものの中で、今日まで盛んに唄われる小唄「の一つである。
「昭和小唄 その一」木村菊太郎著より引用
この小唄は三味線も弾き甲斐があり、唄も気持ち良く唄えて芝恋も好
きな曲です。
爽やかで、涼しげな一曲ですね。替手と合わせて弾くと華やかで演奏
会で演奏すると引き立つと思います。
コロナウイルス感染拡大でしばらくの間演奏会も無くなり、お稽古も
ストップしてしまい淋しい限りです。
夏に唄うのに相応しいこの「橋渡し」をお弟子さん方と一日も早く楽し
くお稽古出来る様になって欲しいものです。
「ちょこっとアメリ!」
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