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2014年08月02日(土)9:15 AM

 八月に入りますと新聞やTV雑誌などのメディアによって

広島、長崎への原爆投下や終戦についての記事や特集番

組が毎年多数出てきますね。そして四日後、八月六日は広

島の原爆記念日です。もう二十年位も前のことですが、私は

朗読の勉強会に参加しておりました。詩や物語、いろんな作

品をお稽古しました。指導して下さったのは劇団民芸の演出

家渾大防先生。その指導のもと色々な作品を稽古した後、

舞台で朗読をすることになりました。

 私に与えられた台本は茨木のり子さんの詩、「ヒロシマという

とき」でした。茨木のり子さんの詩といえば、「わたしが一番きれ

いだったとき」が大変有名ですが。当時私は「ヒロシマ・・・」の詩

は知りませんでした。読んでみてその重いテーマ、インパクトの

ある言葉達に、私はたじろぎました。{この詩を私が舞台で朗読

するのは荷が重い!今の私の朗読力では・・・・・。}少し稽古に入

ったところで、渾大防先生に違う詩に替えて欲しいと願い出ました

があっさりと却下され、「貴女が読まなくてはだめ、心のボルテー

ジを上げて、テンション高く朗読しなさい!」と厳しく叱咤激励され

ました。本番の日は未だかつて無いほど緊張しましたが、この詩

に出会えたこと、この詩を舞台で朗読できたことは私にとってかけ

がえのない財産になったと思います。そして終わったあとには大き

な達成感を味わうことが出来ました。

    「ヒロシマというとき」   茨木のり子

<ヒロシマ>というとき

<ああヒロシマ>と

やさしくこたえてくれるだろうか

<ヒロシマ>といえば<パールハーバー>

<ヒロシマ>といえば<南京虐殺>

<ヒロシマ>といえば女や子どもを

壕のなかにとじこめ

ガソリンをかけて焼いたマニラの火刑

<ヒロシマ>といえば

血と炎のこだまが返って来るのだ

 

<ヒロシマ>といえば

アジアの国々の死者たちや無辜の民が

いっせいにおかされたものの怒りを

噴き出すのだ

<ヒロシマ>といえば

<ああヒロシマ>と

やさしくかえってくるためには

捨てた筈の武器をほんとうに

捨てねばならない

異国の基地を撤去せねばならない

その日までヒロシマは

残酷と不信のにがい都市だ

わたしたちは潜在する放射能に

灼かれるバリアだ

 

全文を書くわけにはいきませんので途中までで終わりに

しますが、興味をもたれた方はぜひ、茨木のり子さんの詩集を

この夏、手にしてみて下さいませ。

三味線をひくこと、小唄を唄うことにのみ留まらずいろんな事に

興味をもち、挑戦し、視野をひろげ、感性を豊かにできるよう、

日々努力を重ねていきたいですね。



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