小唄「夏景色」のご紹介。
ホーム > 小唄「夏景色」のご紹介。

小唄「夏景色」のご紹介。

2018年05月24日(木)9:59 PM

  白雲を 吹尽したる 新樹かな。  才麿 作

 

 新樹とは「若葉」「青葉」「新緑」などに覆われた初夏の立木のことで、

樹木全体の姿に視点が置かれる。

 まだ薄緑の淡さを残して「夏木」ほど逞しくはないが、その瑞々しい語感

とともに、夏の到来、その風景をいうに相応しい。

 明日は晴れて気温が上がり、29度までいくそうです! 夏ですね。

夏と言えば花火大会、お祭り、海開き・・・・、猛暑はつらいけれど楽しみも

一杯ですね。そんな猛暑の来る前の爽やかな風の吹く五月もあと少しで過ぎ去っ

てしまうと思うと残念ですが、来るべき夏を描いた小唄「夏景色」をご紹介。

 

  『夏景色』 作詞 邦枝完二 作曲 清元栄寿郎

 

 紫のあやめの影もいつしかに

  過ぎて浴衣の夏景色

 上覧(しょうらん)まつり江戸祭り

  花笠あみだに麻だすき

 腰にゃ揃いの火の用心

   「アーラ オンヤレナー」

     「オッと 花車(だし)ア土佐坊少将だ」

 粋な頭だ越後屋の 仕立ておろしの昇り鯉。

 

 日枝神社の山王祭は江戸時代に上覧祭(しょうらんまつり)と言われていた。

江戸城の将軍の上覧に供せられるためである。

 申酉のほか、牛若丸や静御前などのいろいろな山車がでた。

土佐坊少将とは渋谷の金王丸(こんのうまる)といって、坂東一の武者、源義朝の

家来である。

戦前は「源平」「忠臣蔵」この二つが日本の歴史の常識だったので時代物の芝居

は全てここにルーツがあって、土佐坊少将は誰でも知っている人物だった。

木村菊太郎著「昭和小唄 その二」より引用

 

「オッと 花車ァ土佐坊少将だ」このセリフが板についてると粋でいいんですが

それがなかなか難しい!?



«   |   »

過去の記事