今宵は中秋の名月。

　先ほど表に出て空を見上げますと、月は煌々と天空に上っております。

普段は月などとんと興味もないくせに「中秋の名月」と書かれた暦を見ると、とた

んにどれどれ月は出ているかしらと気にかかる。

　白く浮かぶ月のまわりに広がる群青色の濃淡が、筆でぼかして掃かれたようで

神秘的な雰囲気を醸し出しておりました。

　こんなときに縁側のついたお座敷があったらな？と思ってしまいます。

着物姿で縁側に腰掛けて、篠笛を吹いては月をめでる・・・、三味線に持ち替え

て小唄を口ずさんでみたり、当然美味しい月見団子も薄と一緒に飾られていて

・・・、憧れのワンシーンですね！

　残念ながら芝恋の家には縁側はありませんが、　というよりも『うるさい！』と

たちまちに苦情がきそうですね。

　もう一つの憧れのワンシーンは・・・、縁側に寄り添って座っている方に『月が

綺麗ですね。』と囁かれる・・・・、ロマンチックな妄想を描いておやすみなさい

ませ。