小唄「かやうり」のご紹介。
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小唄「かやうり」のご紹介。

2016年05月31日(火)5:19 AM

  蒸し暑い日が増えてきたのでそろそろ蚊が気になりますね。

今ではあまり使われなくなってしまいました蚊帳。この蚊帳を売り歩くのが「かやうり」

です。

江戸時代、織田信長のころから生産を始めた近江の蚊帳が全国的にその名が知られて

いた。近江の蚊帳は鮮やかな萌黄染、紅布緑が特色だった。

 夏が近づくと、日本橋通りやその他に出店を構えていた近江商人が、江戸の町を歩い

て売り歩いた。

 手代と荷を担ぐ人夫が連れ立って売り歩き、菅笠に朱半纏、股引の姿で、蚊帳が入っ

た籠を天秤棒で担いでいた。

この蚊帳売りの特徴は、その声の美しさで「もえぎのかやー」という売り声は一声の間に

半町歩く・・・といいまして約54~5メートル歩く間も、声が続かないと駄目だった。

またその声はいわゆる美声で、それも売りものの一つであったので、人夫には美しい声

の者が選ばれたそうです。

 

      「かやうり」

   一声を花の東(あづま)の町々へ

     残してゆくか 山時鳥(やまほととぎす)

      「萌黄の蚊帳や 蚊帳や幌蚊帳」

       涼しい風が来るわいな。

 

 この小唄は大正8年8月鶯亭金正が作詞し、歌沢佐登が作曲した歌沢節を、幸兵衛が

金升の了解を得て小唄化したものである。

 この小唄は明治期の「蚊帳売」の呼び声を唄ったもので小唄としては「苗売」と同じ

く「蚊帳売」の呼び声が生命で、江戸前の小唄として大流行した。

                           (昭和小唄 木村菊太郎著より引用)

 

 

 



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