小唄「首尾も二人」。
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小唄「首尾も二人」。

2016年02月13日(土)7:41 PM

 前回のブログで「栄芝会」の合奏曲「白魚船」をご紹介させて頂きましたので、今回は

もう一つの合奏曲「首尾も二人」をご紹介します。

 

           「首尾も二人」

 

  首尾も二人がよい月の  行燈背けし影法師

   言いそくれし口舌さえ  憎や花火がしゅっと消え

    何処へか指して    帰り船。

 

 この曲は本調子の曲で、三下りの替手が入ります。

江戸中期に作られた江戸小唄です。

 初秋の月の美しい夜、場所は柳橋か浜町の隅田川辺り。やっと首尾が叶って二人きり

になった男女の影が、行灯の灯に顔をそむけて川辺をそぞろ歩きする所を唄ったもので

ある。女は芸者、男は若いお客。二人とも初めて逢った時から、心の中では好いていた

らしいと思っていながら、今夜もお互いの胸の中を言い出し損なって、舟遊びの客が芸

者達と一緒に、キャッキャと騒ぎながら花火を上げているのを、ぼんやりと眺めている

のである。

 そのうち、最後の花火を上げ終わった遊び船の人達は、月の光に照らされながら、何

処かの川岸を指して帰ってゆく。その船の影を、胸の中でじりじりしながら見送ってい

るのが、「憎や花火がしゅっと消え、何処へかさして帰り船」である。

(小唄鑑賞 木村菊太郎著より引用)

 如何でしょうか?なんだかとっても初々しいカップルの様子が窺える小唄ですね!

「白魚船」と「首尾も二人」、大勢で唄い、三味線を弾くのはまたいつもとは違う演奏

になりますので、4月3日(日) 三越劇場で開催される「栄芝会」、ぜひ観にいらして

下さいませ。

 

 



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