小唄「情けもしみる」のご紹介。
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小唄「情けもしみる」のご紹介。
2018年11月27日(火)11:56 AM
「情けもしみる」
情けもしみる後朝(きぬぎぬ)は
昨夜(ゆうべ)一と夜の待ちぼうけに
寝ない疲れの眼の玉へ 有難すぎた空っ風
出会い頭に さても邪慳な砂ほこり。
作詞平山蘆江・作曲春日とよ
この小唄は平山蘆江が予め用意した大正九年の一曲である。
二人の嬉しい出合茶屋を大宮か熊谷あたりに遠出と定めたが、どうした邪魔が入った
のか、とうとうまる一夜を待ちぼうけとなった男が、しぶしぶ茶屋を出ると、そんな
日に限って朝日の光りさえ邪慳で、向こう風がまた上州名物の空っ風で、眼に入った
砂埃がどうにも取れない、重ね重ねの泣きっ面を唄ったものである。
とよの作曲は「情けもしみる後朝は・・・を気をもたせた唄い方として、「昨夜一
と夜の待ちぼうけに・・・で一転してすっかり気落ちした男を、「有難すぎた空っ風
・・・を軽妙に、「さても邪慳なアアア砂ほこォり・・・と重ね重ねの泣きっ面を浄
瑠璃調に唄い上げている。大正期の呑気な時代の面白い男唄である。
「昭和小唄その一」 木村菊太郎著より引用
なるほど・・・、この様に解説があるとこの小唄の持ち味が良く分かって、そんな
情景を思い浮かべて、その男性の気分になって唄うことができますね。
特に江戸小唄などは現在使われていない言葉や表現が出てきますので、解説文を読
むことはとても大事だと思います。
何のことかわからず唄っていてもつまらないですね。
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