小唄「つれなくされし」のご紹介。
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小唄「つれなくされし」のご紹介。

2018年07月14日(土)5:25 PM

  「つれなくされし」 初代村幸詞・曲

 

 つれなくされし淋しさに  つい愚痴になる

  この頃は 浮世の義理も五月雨や

   鳴かぬ日ぞなき時鳥。

 

 大正前期に作られた江戸小唄である。

主人公は芸妓である。

浮世の義理に隔てられて、男がこの頃絶えて逢いに来てくれないのを、

つれなくされたと考え、夜毎日毎時鳥の鳴き声を聞きながら、涙に袖

を濡らしている、という所を唄ったもの。

 歌詞は正しく明治調で、村幸の作曲もまた明治期の江戸小唄である。

筆者はこの小唄を読むたびに、この小唄は村幸の愛人春日家の鶴助(のち

の春日とよ)の心境を綴ったものの様な気がしてならない。

或いは、この歌詞を鶴助が書き、作曲を村幸がしたのではあるまいか、そ

う考えると、この小唄は一段と興趣が湧くような気がするのである。

               小唄鑑賞 木村菊太郎著より引用

 

 これは大変興味深い解説ですね。

春日家鶴助後の春日とよは小唄春日流の流祖ですから。

 二上りの曲で、女心の切なさを情感たっぷりに表現した小唄です。

出だしの「つれなく~」を畳みかけるように歌い出すところが、とて

もインパクトがあって素敵ですね。

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