今日は雪が舞い降りてきそうな寒さですね。

こういう日は暖かな部屋で読書が一番！

そこで今回お薦めの一冊は原田マハ著「暗幕のゲルニカ」です。

　「ゲルニカ」と言えば、そうあの有名な天才画家ピカソの絵ですね。

ナチス空軍がスペインバスク地方の古都ゲルニカを無差別爆撃し、街が

廃墟となった。三時間におよぶ爆撃で１６００人が犠牲になった。

ピカソはこの非人道的な破壊行為に抗議する為に「ゲルニカ」を描き、

パリ万博へ出品。世界で一番有名な反戦画となりました。

　「暗幕のゲルニカ」はピカソがこの「ゲルニカ」を描いた当時の様子

や、その制作過程を写真撮影した女流写真家で愛人のドラ・マールとの

関係を描きながら、２００１年に起きたアメリカの９．１１同時多発テ

ロ事件で最愛の夫を失った女性キュレーターが「ピカソ展」開催に奮闘

する話を交差して、非常に面白いストーリー展開の小説です。

　フィクションとノンフィクションが入り混じった内容ですが、物語を

常に覆う緊張感と、終盤の作者の思いがけないストーリー展開に読みご

たえを感じられました。

　(作者の原田マハ氏は早大第二文学部美術史学を卒業されて、ニュ―ヨ

ーク近代美術館に勤務されてたことがあり、現在は小説家であり、フリ

ーのキュレーターでもある方です。)

　「暗幕のゲルニカ」、今月の芝恋お薦めの一冊です！