小唄「木枯らしの」のご紹介。
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小唄「木枯らしの」のご紹介。

2016年09月25日(日)11:06 AM

      『 木枯らしの 』

 

  木枯らしの吹く夜は   物を思うかな

    涙の露の菊重ね  重ぬる夜着も一人寝の

      更けて寝ぬ身ぞやるせなや。

 

 この小唄は明治中期に作られた上方調の江戸小唄である。

木枯らしは「凩」と書く。初冬に吹く強い風で、木を吹き枯らすということから

来た言葉である。

 「菊襲」は重ね夜着の表が白、裏が蘇芳色(黒味を帯びた赤)のものを言う。

この曲は、元禄時代の上方の遊女が待つ人の来ぬのを怨んで、遣る瀬無い

夜を明かす心情を唄ったものと思う。 (木村菊太郎著 小唄鑑賞より引用)

 三下りのこの小唄はしんみりとした曲調で、待っても来ぬ人を想う心情を

糸の調べに乗せてひっそりと唄っております。



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