この季節に唄って欲しい小唄。
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この季節に唄って欲しい小唄。

2015年07月04日(土)7:25 AM

 7月に入って雨の日が続いてますが、雨の風情を味わえる小唄をご紹介

させて頂きます。

 

        「夏の雨」           初代永井ひろ作詞・作曲

 

  夏の雨  凌ぎし軒の白壁に

   憎や噂をまざまざと

    相合傘に書いた文字

     見ては綻ぶ片えくぼ。

 

 この曲は本調子で季は、新暦晩夏七月となっております。

この小唄は、大正十一年頃ひろが柳橋の深川亭に呼ばれたときの作で

あります。

 ひろが夕立の強さに、急いで走りこんだ料亭の白壁に、相合傘の落書き

があった。女の名は柳橋で今売り出し中の若い妓で、劇団の御曹司二人との

恋の鞘当が噂されている。男の名は二人の御曹司のうち、本命と目される

キー様でなく、ダークホースと目されるオー様のなである。ひろは予想外の

名に最初はびっくりしたが、そのあと色々と思い当たるふしが浮かんできて、

思わずにやにやする所で、「憎や噂を・・・・・・」はまあ心憎い落書きだ

ことというつもりで唄って欲しいものです。(小唄鑑賞より引用) 

 如何でしょうか。曲調はしっとりとした秘めやな曲で、風情があります。

「見ては綻ぶ 片えくぼ」のところが若い男女の密かな恋を微笑ましく感じて

いるひろさんの優しいまなざしが感じられ、芝恋は好きですね。



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