小唄」「あちらはあちら」のご紹介。
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小唄」「あちらはあちら」のご紹介。

2019年10月18日(金)10:54 AM

 「あちらはあちら」 平山蘆江作詞・春日とよ作曲

 

 あちらはあちらで来いと言う

  こちらはこちらで来いと言う 

 来いと来いとに夜が明けて

  どっちも行かない瘦せ我慢

 阿呆阿呆と鳴く鳥(からす)

  逢おう逢おうと聞いてるうち 日が暮れる。

 

 この小唄は平山蘆江の大正年間の旧作の一つであろう。

蘆江の「小唄解説」によると、『この唄は私の作ですというのが

恥ずかしい程いやな唄だ』と書いている。

 この頃とよは作曲に興味がのってきていて幾つでもよいからド

ンドン作って下さいとせっつかれるが、蘆江の方は行き詰まりに

なって、新作ができても気に入らず、気ばかりあせって、兎も角

もまとめてとよに送ったが、とよは嫌な顔もせずに新曲に仕上げ

たという。

 この小唄は男唄で、早間の糸でトントンと運んで嫌味がなく、前

弾きと後弾きとが優れている。 「昭和小唄」木村菊太郎著より引用

 作曲の春日とよ氏は春日流の流祖。沢山の小唄を作曲されてるの

ですね。

 作詞の平山蘆江氏はこの小唄を気に入らなかったようですが、と

よ氏の作曲で、とても味のある小唄になっていると思います。

 サラリッと唄ってみたいですね。

 

 

 

 

 

 



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