小唄「東西東西」のご紹介。
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小唄「東西東西」のご紹介。

2019年09月27日(金)11:21 AM

 「萩の声 こや秋風の 口うつし」 松尾芭蕉

 

 「萩の声」とは秋風が立てる萩の葉ずれの音。

昔の人々は萩が風に吹かれてる姿を、神や霊魂を招くものと捉えて

いた。

 秋の初風に吹かれて聞こえる葉ずれの音もあの世からの囁き声と

して、耳をすませて聞き入ったのでしょう。

 

 今回はちょっと面白い歌詞の小唄「東西東西」をご紹介させていただ

きます。

 

  「東西東西」 初代平岡吟舟詩・曲

 

 東西東西 御免を蒙り 

  ここもと去年(こぞ)の九一(くいち)の地震火事過ぎて

   あとから景気よく売りに出た品の春の番附け

「ボンボン時計は西の関 

  メリンス・友禅・東関 続いて関脇小結は

   牛丼や金鍔焼 強飯・饅頭・安汁粉

 十と五銭のコップ酒 性の知れないカツレツと

  喉のぴりつくライスカレー 夜具と布団の野天売り

 モジリ・スエーター・半ゴム靴 がたがた建具にトタン板

  屑糸・銘仙・偽せ大島

〝番が進んで打出す 太鼓の音さえびくついて

  ドーンガラガラ桑原ゝ 万歳楽。〟

 

 この小唄は関東大震災の翌年正月、東京の悲惨な状況を唄い上げたもの

で、われわれには太平洋戦争後の東京新橋の闇市を思い出させる名作であ

るが、現在この曲は残っていない。

 時に吟舟翁は六十八歳。こうして吟舟の出馬は初期の昭和小唄に大きな

迫力を与えることになった。 「昭和小唄」木村菊太郎著より引用

 

 なるほど! インパクトのある小唄ですね。

二上りの曲だそうですが、こういう個性的な小唄って、とても好きです。

 現在この曲は残ってないとはとても残念な気が致します。

ご存知のお師匠さんがいたら、是非復元して唄って頂きたいですね。

 

 

  

 

 

 



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