この秋、お薦めの一冊。
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この秋、お薦めの一冊。

2019年09月09日(月)7:27 AM

 九月に入り朝夕は少しずつ過ごしやすくなって参りました。

読書の秋にお薦めの一冊の本をご紹介させていただきます。

 粋で鯔背なニッポン語「歌舞伎の名セリフ」、著者は歌舞伎役者

中村勘太郎氏。

 歌舞伎の名セリフについて書かれた本は沢山ありますが、この本

の最後の方に書かれてる河竹黙阿弥作の「弁天娘男白波」のセリフ

を勘太郎氏が現代風にアレンジしたものがとっても面白くて、セン

スが良いと思いましたので少しご紹介させていただきます。

 

 さてその次は江ノ島の岩本院の児あがり、

ふだん着慣れし振袖から髷も島田に由比ヶ浜、

打ち込む浪にしっぽりと女に化けた美人局、

油断のならぬ小娘も小袋坂に身の破れ、

悪い浮名も竜の口土の牢へも二度三度、

だんだん越える鳥居数、

八幡様の氏子にて鎌倉無宿と肩書も

島に育ってその名さえ、弁天小僧菊之助。

 

この名セリフを現代風にアレンジしたのが

 さてその次は江ノ島のサザンビーチにニュウーハーフ

ふだん着慣れしアロハ柄茶髪伸びかけちょいプリン、

ナンパ野郎をだますのは、お手のもんだよ真夏の果実、

エステでgetのこのボディ、でもビキニでは身の破れ、

悪い浮名も竜の口、

マッポに引かれて二度三度、

どんどんくぐるラブホのゲート、

鎌倉夫人もクラクラと

八幡宮の大鳥居、源平池のイケメンの、

弁天小僧菊之助とはオイラのことさ。

 

 如何でしょうか? 何だかとっても楽しいですね!

この他にも忠信利平や日本駄右衛門、赤星十三郎、南郷力丸のセリフ

の現代風にアレンジしたものが書いてあります。

 私はどれも勘太郎氏はユーモアのセンスが素晴らしい!と感じまし

た。

 



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