小唄「浮氣同志」のご紹介。
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小唄「浮氣同志」のご紹介。

2019年01月08日(火)9:16 PM

  『浮気同志』  三世清元順三詞・曲

 浮気同志が ついこうなって

  あゝでもないと四畳半

 湯の沸るより音もなく

  あれ聞かしゃんせ 松の風。

 

 明治中期の雰囲気をそのまま偲ばせる江戸小唄である。

大して惚れ合ってもいない浮気者の二人が、どうしためぐり合わせか、

しんみりと四畳半で逢うことになってしまって、お互いに固い夫婦の

約束までしてしまうとは一体どうした事か。

 鉄火肌の妓もすっかり優しくなって、「貴方あの松風の音(茶釜の

湯のたぎる音)を聞いてご覧なさいよ。静かなお正月ですこと。」

という世話女房ぶりは、「噓から出た誠」で、ちょっと面白い。

 この作詞も順三と言われているが、皮肉な面白い作詞作曲で、唄

い出しの「浮気同士」を派手にはずんで、如何にも当時の道楽者、

浮気同士の様な気持ちで唄うと、「湯のたぎるより音もなく」の、一

中節の地節の所が、余計しみじみと引き立って来る。

そして結びの「あれ聞かしゃんせ松の風」を軽く唄う所が、この小唄

のコツである。 「小唄鑑賞」木村菊太郎著より引用

 よくよく考えたら何でこうなったのか?本人たちにも解らない・・

・。でもこういうことってありそうですね。

 それにしても「浮気同士」ってところが凄い!



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