小唄「武蔵野の」のご紹介。
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小唄「武蔵野の」のご紹介。

2018年09月09日(日)7:26 PM

 長月(九月)に入って少しはしのぎやすくなるかしらと期待していたのですが、

今のところ・・・暑いですね!

せめて小唄の中だけでもグッと秋を感じられるように「武蔵野の」をご紹介致

しましょう。

 

  「武蔵野の」  作詞・作曲 初代平岡吟舟

 

 武蔵野の 原の中なる一つ家に 尾花招ぐや月の友

  鈴虫リンリン チンチロリン松虫

   悋気は野暮よ 濃茶同志の仲じゃもの。

 

 この小唄も吟舟が古典小唄にある「秋の虫づくし」を意識して作詞したもの

であろう。

 この小唄を竹枝せんの唄、竹枝せきの糸で聞いたが、チャーン「武蔵野の・・

と静かに出て、「鈴虫リンリン・・・を高く、ここで鈴虫と松虫の合の手を聞か

せて「チンチロリン松虫・・・となり、「悋気は野暮よ・・・からは例によって

粋な早間の小唄となって終わる。

 古典小唄調の軽妙な節付けである。

「悋気は野暮よ・・・以下は、一つ家に住む二人の甘い語らいとも聞かれるが、

鈴虫と松虫とは濃い茶のような仲間同志なのだから、お互いに悋気はやめようと

いう意味にとるのも一興であろう。  「昭和小唄その一」木村菊太郎著より引用

 中秋の名月が観れる頃にはさすがに涼しくなっていると期待して、虫の音に耳

をすませてこんな小唄を楽しんでみるのもいいですねぇ・・・・、

 



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