小唄『梅が香』のご紹介。
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小唄『梅が香』のご紹介。

2018年02月14日(水)11:45 AM

 二月の半ばともなりますと、梅の蕾が膨らんでいるのがそこここに見受け

られ春の訪れを感じさせられます。

 梅は花を観賞するというよりは、やはり香りを楽しむものですね。

そこで今回は『梅の香を』をご紹介させて頂きます。

 

    『梅が香』

 

 梅ケ香を幸い東風が誘い候

  かしくと書いた土筆(つくづくし)

 主に扇を重ねてそして

  誰(たれ)を招くか早蕨の

 手事というも恥ずかしく 顔に初日がさすわいな。

 

梅が香は菊五郎の俳名梅幸、重ね扇は尾上家の家紋、初日は芝居の初日を指

す。

『東風が誘い候かしく』は菊五郎が大阪へ出演したことを意味し、つくづく

しは土筆のこと。

早蕨は芽を出したばかりのわらびで若い女のこと、手事は手管の意味。

顔に初日は恥ずかしく顔が赤くなったと解釈すると意味深長な小唄になる。

木村菊太郎著「芝居小唄」より引用。

 

 何やらとても意味深な唄でもあり、またその糸の調べは雅な雰囲気で、芝恋の

好きな小唄の一つです。

 この曲は小唄振りで踊ったこともあり、大変想い出深い一曲です。

振り付けも優雅でとても魅力的な踊りでした!

 

 

 

 



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