長月・九月に唄いたい小唄。
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長月・九月に唄いたい小唄。

2016年09月01日(木)5:02 PM

      

   砂ほこりも  いつさいがつさい  秋になった

                                     種田山頭火

 今日から九月 長月。

長月の由来は、「夜長月」の略が一般的。他に「稲刈り月」の転訛、又は

九月は長雨の季節なので、「長雨月」を略したという説もあるそうです。

 昨年の九月にはスーパームーンを眺めに向島百花園に行き、大きな満

月を背景にしてスカイツリーの夜景を撮影しましたっけ。

園内には萩のトンネルがあって、そこここに置かれた行燈の光が優しく萩

を照らしてとても素敵でした。 というわけで・・・。

 

         「萩桔梗」

 

 萩桔梗  中に玉章忍ばせて

           月は野末に草の露

 君を松虫夜毎にすだく  更けゆく鐘に雁の声

             恋とはこうしたものかいな。

 

 男を待つ自分の身を松虫にたとえ、それに秋草と、月と雁と鐘という秋

の風物を唄いこんだものである。

 冒頭の「萩桔梗なかに玉づさ忍ばせて」は、萩桔梗といった秋の七草を

男の元へ送るその中に「何時か逢瀬の折りあらば、おんめもじお待ち申し

あげ候かしく」という艶書(ふみ)を入れて遣ったという意味であろう。

それ以来、毎夜の様に男の訪ねて来るのを待つ女の心を「君を松虫夜毎に

すだく」と唄ったのである。

 「月は野末に草の露」は、

   風通う野末の草の上露はおちて下葉にまた結びけり。(頓覚)

から採ったもので、君を待つ夜は今宵も更けて、はや月は野末にかたむき、聞

ゆるものは遠寺の鐘の音と、鳴き渡る雁の声のみという所を唄ったものである。

 江戸小唄は端唄から採ったものであるが、仲秋の淋しさと恋に悩む若い乙女を

唄った名曲の一つである。    (江戸小唄 木村菊太郎著より引用)

 いかがでしょうか? とてもロマンチックな小唄ですね。

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